
こんにちは。
鍼灸マッサージ治療院feel 院長の佐野 聖です。
「皮膚が焼けるように熱い」
「ヒリヒリする」
「服が触れるだけで痛い」
「カイロを貼っているような熱さを感じる」
このような灼熱感(しゃくねつかん)でお困りの方が来院されることがあります。
整形外科を受診し、MRIやレントゲン、血液検査を受けても「特に異常ありません」と言われ、原因が分からず不安になってしまう方も少なくありません。
もちろん、灼熱感の原因には神経障害や帯状疱疹、血管障害など、医療機関で診断や治療が必要な病気もあります。そのため、まずは重大な疾患が隠れていないかを確認することが大切です。
しかし、それでも原因が見つからない場合には、筋肉や筋膜、トリガーポイントが関与しているケースがあります。
トリガーポイントでも灼熱感は起こることがあります
トリガーポイントというと、「肩こり」や「腰痛」、「重だるさ」をイメージされる方が多いと思います。
しかし実際の臨床では、
- 焼けるような痛み
- ヒリヒリする
- ピリピリする
- 熱を持ったように感じる
- しびれに似た違和感
このような症状として現れることも決して珍しくありません。
なぜ筋肉で灼熱感が起こるのでしょうか?
筋筋膜性疼痛症候群(MPS)は、単なる筋肉痛ではなく、筋肉や筋膜に生じたトリガーポイントによって痛みを引き起こす病態です。
研究では、活性化したトリガーポイント周囲では、痛みを感じやすくする様々な発痛物質が増加すると考えられています。
さらに、その刺激が長く続くことで、痛みを伝える神経が徐々に敏感な状態になることがあります。
すると、本来なら痛みとして感じない程度の刺激でも、
- ヒリヒリする
- 焼けるように熱い
- 皮膚が敏感になる
といった、通常とは異なる痛み方として感じることがあります。
筋膜のつながりによって離れた場所に症状が出ることも
筋肉や筋膜は全身で連続したネットワークを形成しています。
そのため、実際にトリガーポイントが存在する場所とは離れた部位に症状が現れることがあります。
例えば、腰や臀部の筋肉に原因があるにもかかわらず、仙骨周辺だけがヒリヒリしたり、太ももの外側に灼熱感が出たりすることもあります。
「痛い場所」と「原因となる場所」が一致しないことは、トリガーポイントの特徴の一つです。
なぜ整形外科で「異常なし」と言われるのでしょうか?
MRIやレントゲンは、骨折や椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、腫瘍などを診断するために非常に重要な検査です。
しかし、筋肉の中に存在するトリガーポイントや筋膜の機能異常は画像には映りません。
そのため、画像検査で異常が見つからなくても、痛みや灼熱感が存在することは十分にあり得ます。
もちろん、すべての灼熱感が筋肉由来というわけではありません。
しかし、重大な病気が除外された後も症状が続く場合には、筋筋膜性疼痛症候群(MPS)という視点から評価することも大切だと考えています。
このような症状でお困りではありませんか?
- 腰やお尻が焼けるように痛い
- 仙骨付近がヒリヒリする
- 座ると熱くなる
- 夜になると灼熱感が強くなる
- MRIでは異常なしと言われた
- 神経痛と言われたが改善しない
- 原因が分からず不安
このような症状でも、筋肉や筋膜、トリガーポイントが関与しているケースがあります。
まとめ
灼熱感は、神経の病気だけで起こる症状ではありません。
重大な病気が除外された後でも、筋肉や筋膜の異常、トリガーポイント、さらには神経が過敏な状態になっていることが関係している可能性があります。
「異常なし」と言われても、症状そのものが存在しないわけではありません。
原因が分からない灼熱感やヒリヒリした痛みに悩まれている方にとって、このような考え方が症状を理解する一助となれば幸いです。
お困りの方はご相談ください。
【監修・執筆者プロフィール】
佐野 聖(さの ひじり)
はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師(国家資格)
横浜市の「はり・きゅう・マッサージ治療院 feel」院長。1995年に国家資格を取得後、整形外科勤務を経て、2003年に開業。
30年以上にわたり、肩こり・腰痛・坐骨神経痛・五十肩・頭痛などの慢性的な痛みの施術に従事。筋筋膜性疼痛症候群(MPS)、トリガーポイント、筋膜へのアプローチを専門とし、解剖学・運動学に基づいた施術を行っている。
トリガーポイント治療に関する臨床・技術について、鍼灸専門誌『医道の日本』に特集掲載。現在も国内外の知見を学び続け、臨床経験と根拠の両面を重視した施術を行っている。
