鍼灸施術とは?

鍼灸施術とは? 効果と施術方法を解説します。 イメージ

※このページは当院の院長佐野聖が制作しました

鍼灸は効果なし? 鍼術の定義と施術方法

鍼灸治療 (しんきゅうちりょう) 、鍼灸施術 (しんきゅうしじゅつ) など近年耳にする方は多いと思いますが、 いったいどんなものなのでしょうか? 鍼灸への関心が高まる一方で、「鍼灸効果あり? 効果なし?」など、施術自体へ疑問を呈する声も多く上がっております。

また、鍼灸施術においては、まだまだ馴染みが浅く、「肩こり」や「腰痛」の時に行うもの、くらいに思われていると方も多いと思いますが、実は色々な身体の悩み、例えば「不妊」や「自律神経失調症」などの幅広い分野のケアに用いられ、施術には国家資格が必要です。よって、鍼灸施術を主体に概論をご説明いたします

鍼灸施術(鍼術)の定義

鍼灸施術(鍼術) とは、一定の方式に従い、鍼をもって体の表面の一定部位に、接触または穿刺刺入し、整体に一定の機械的刺激を与え、それによって起こる生体反応を利用し、生活機能の変調を矯正し、保健および疾病の予防またはケアに広く応用する施術である。
*参考文献 社)東洋療法学校協会 編 教科書執筆委員小委員会 著 2012年版 上の定義は、鍼灸師になるための学校で使われている教科書より抜粋しました。
要するに鍼で皮膚を擦ったり、皮下に刺したりして刺激を与えて、体に影響を与え体調不良や、体調改善に導く施術方法にあたると思われます。

鍼治療の最大の利点は、体の悪いところに直接アプローチできるということです。これは、マッサージや整体・カイロプラクティックではなかなか難しいアプローチ方法とも言われております。

「鍼灸治療」と「針灸治療」どちらが正しい?

鍼灸のことを調べるときに、鍼灸と検索するか、針灸と検索するか、迷われたことはありませんか?

どちらも間違ってはいませんが、「鍼灸」の方が本来の意味をそのまま表していますので、正式には「鍼灸」となります。
読み方は、「しんきゅう」「はりきゅう」どちらでも構いません。

余談ですが、私たちスタッフが取得している国家資格の免許には、「鍼灸師」「針灸師」どちらが記載されていると思いますか?
正解は「はり師」「きゅう師」と記載されています。
実は、「鍼灸師」「針灸師」と一括りではなく、「はり」の免許と「きゅう」の免許に別れていて、もう一つ「あん摩マッサージ指圧師」という免許もあり、鍼・灸・マッサージを施術するには、それぞれの国家資格免許が必要なとなります。

鍼灸は怖い?実は国家資格が必要な優しい療法

また、鍼灸施術は怖いと敬遠されてしまう一番の理由でもあります。
しかし、薬を使わない妊婦さんでも受けていただける、優しい療法と評価されております。
鍼灸師になるには、高校卒業以上で鍼灸の専門学校で3年(短大3年)や大学で4年学んだあとに卒業後、国家試験を受験し合格しなければなりません。
日本では医師のほか、厚生労働省が定める代替医療(医業類似行為)として、国家資格である「鍼灸師」の免許を有する者だけに施術が認められています。
■参考:医業類似行為に対する取扱いについて(厚生労働省)

鍼灸院とは

このような鍼灸施術を専門的に行う治療院・施術所のことを鍼灸院といいます。
専門鍼灸院があれば、接骨院や整体院と一緒に行う治療院も日本中に多いです。そのため、鍼灸整体院、鍼灸接骨院と呼ぶ人も少なくありません。
また、内科や婦人科のような医療クリニックでも、必要に応じて鍼灸施術を治療に取り入れるケースも多いです。
feel横浜本院は、2003年の開業以来専門の資格を持って、痛みやコリ、痺れを訴える患者様にトリガーポイント療法の施術を行う専門鍼灸院です。

整骨院、整体院との違い

鍼灸院と他治療院(整骨院、整体院)の違いについて説明します。

■整骨院、接骨院・・・柔道整復師(国家資格)が施術。骨折、脱臼、捻挫、打撲、挫傷などの治療が専門。
■整体院・・・整体師(民間資格)が施術。骨盤や背骨を整え、骨のズレなどを矯正することによって筋肉のコリや疲労をほぐし、体全体のバランスを整える。
■鍼灸院・・・鍼灸師(国家資格)が施術。身体に鍼や灸を用いた刺激を与えることで、保健および疾病の改善及び予防をする。

以上のような違いがあります。

鍼灸で期待できる効果 (WHOが有効性を認めた症状)

鍼灸というと、肩こりや腰痛くらいにしか効き目がないと思われがちですが、実は多岐にわたり期待されております。
鍼灸の効果については、世界中で実験と研究が進められており、その有効性に関心が高まっております。
1979年にはWHOは鍼灸治療の適応疾患を発表しておりますが、その後も範囲が広まり、現在では40を超える疾患に有効性が認められております。

■WHO(世界保健機関)で鍼灸療法の有効性を認めた症状

運動器系 肩こり 五十肩 腰痛 変形性関節症 腱鞘炎 テニス肘など
消火器・呼吸器系 便秘 下痢 慢性胃炎 食欲不振 気管支喘息 鼻炎など
疼痛 頭痛 坐骨神経痛 術後疼痛 肋間神経痛 三叉神経痛など
循環器系 血圧に伴う諸症状 冷え性 本態性高血圧など
泌尿器・婦人科系 月経異常 更年期障害 逆子 不妊など
感覚器系 眼精疲労 メニエール病 耳鳴り 難聴など
小児 夜尿症 小児神経症など
その他 不眠症 自律神経失調症 顔面神経麻痺 片麻痺など

このように、鍼灸施術により改善が期待できる症状にはたくさんのものがありますが、鍼灸院・鍼灸師によって施術の得意分野があります。
最近ではフェイシャルケアなど、美容を目的とする美容鍼も多くの女性に支持を受けております。

鍼灸院をお探しになる際は、参考になさってみてください。
当院は、痛みやコリ・痺れの施術を得意としています。
この他にもNIH(米国 国立衛生研究所)の見解として鍼灸療法の各種症状に対する効果とその科学的根拠についての詳細もございます。公益社団法人 日本鍼灸師会のホームページ(https://www.harikyu.or.jp/)をご覧ください。

鍼にも色々な施術方法があります

鍼施術というと、ツボや経絡といった東洋医学的な施術を想像される方がほとんどだと思いますが、実は色々な理論や流派があり、その施術方法は様々です。

鍼の刺し方をとっても、中国や韓国では鍼を手に持ちそのままブスッと刺します。日本では、鍼を管に入れ、管から出ている頭の部分をトントンと叩いて鍼を刺入します。

鍼灸施術とは? この管を使って打つ方法「管鍼法」を考え出したのは、日本人の杉山和一で江戸時代に生み出しました。鍼を打つ際の痛みが少ないのが特徴であり、世界中で用いられています
各種施術理論や流派に関しましては、割愛させていただきます。
以上、「鍼施術とは?」という全体像を説明させていただきましたが如何でしたでしょうか?
このあとは、お客様との会話や豆知識など鍼灸あるあるを読んでいただけたら幸いです。

効果が出るまでどれくらいかかるの(鍼灸施術回数)?

急性症状と慢性症状によって施術回数に違いがあります。

「何回通えば良いですか?」と質問を受けることがありますが、正直なところ何回とお答えすることはできかねるケースが多いのも事実です。

例えば、ぎっくり腰で来院された方が1回の施術で嘘のように良くなることがありますが、これはぎっくり腰の度合い、受傷から施術までの時間など様々な条件が良い状況だった時には起こり得ますが、毎回というわけではありません。

ただし、ぎっくり腰や寝違いなどの急性の症状は、一回一回良くなる感じが体感でき、ほとんどの場合が3回程度の施術で症状の改善が期待できます。

これに対し、症状が数ヶ月以上続いている慢性的状態、症状が出てから様子をみていたが、状態が変わらない、もしくは悪化している状態の場合は、5〜10回程度の施術が必要となります。

急性症状が階段を二段跳びくらいに上がっていくのに対し、慢性症状の場合は一段一段、少しずつ良くなるイメージだと思ってください。当院の担当施術者が、カウンセリング・触察など総合的に分析し、早期の改善ができるよう治療プランを立てます。

※老若男女でかかる時間が異なる?
年配の方よりも若い方の方が早く改善する傾向があり、運動不足の方よりも、定期的に身体を動かしている方の方がより早く改善する傾向がみられます。性別により差はありません。

針(鍼)を使う施術、鍼灸は痛いのか?

鍼治療を受ける上で一番の心配事が「痛み」だと思います。鍼治療での痛みは大きく分けて2つあります。
鍼が皮膚に刺さるときの「チクッ」とする痛みと、鍼が痛みの原因に到達した時に感じる「ズーン」と響く痛みです。
「チクッ」という痛みに関しては、鍼が毛穴など痛覚を過敏に感じるところにに当たってしまうと起きる現象で、通常はほとんど感じることはありません。
「ズーン」という痛みについて、鍼灸ではこれを「響き」といいます。

鍼灸 初めてあるある Q&A

鍼の先に薬を塗る?
お客様:「鍼の先にはどんな薬が塗ってあるのですか?」
先生:「鍼先には何も塗ってないですよ。」 
結構ある質問です。

鍼はどのくらい入るの?
お客様:「鍼ってどのくらい入っているのですか?」
先生:「5cmくらいですね!」
当院では、筋肉(筋膜)への施術を行っていますので、悪さをしている筋肉に届くまで鍼を刺します、臀部の施術などでは5~6cmでも足りないことが・・・
ほとんどの方は、5㎝!と驚かれますが、深いからと言って痛いわけではありません。
また、深く刺さっているという感覚もありません。

鍼を刺す感触は?
お客様:「初めて人に、鍼を刺すときどんな感じでしたか?」
先生:「めちゃくちゃ緊張しましたよ!自分の大腿に刺しますから!」
学校に入学して、1年生の夏休み前に、ショートパンツをはいた生徒が、施術ベッドに腰掛け自分の大腿目掛け、鍼を刺す姿は壮大です。
海へ出かけたとき、大腿がアザだらけの人がいたら、鍼灸学生かも?

愛犬にも施術可能?
お客様:「うちの犬が年を取ってしまって、鍼を打ってもらえますか?」
ワンちゃんに限らず、この質問を何度受けたことがありますが、鍼灸師は動物に鍼を打ってはいけません。

年齢と施術歴は関係ある?
鍼灸の学校の教室をのぞいてみると、様々な年齢の生徒がいます。
私は、高校卒業してすぐに入学なので18歳、一番年長者は50代の男性でした。
同じ年に卒業しますが、私は21歳、同級生は、大ベテラン。

症状改善の後の施術は必要か?
お客様:「改善の後の施術は必要ですか?」
先生:「定期的な施術をおすすめする場合もあります」
お悩みの症状が繰り返されているのか、そうでないのか、これによっても違いがあります。
症状が繰り返されている場合はお仕事を含むライフスタイルを見直しながら、定期的な施術を心がけていただくと良いと思います。施術の間隔は担当施術者にご相談ください。

鍼灸師?鍼灸マッサージ師?
鍼灸師とか鍼灸マッサージ師などと言いますが、実はそれぞれ別の資格です。
鍼師・灸師・あん摩 マッサージ 指圧師(以下マッサージ師)と3つの資格になりますので、取れた免許が鍼灸師(鍼灸マッサージ師)ではなく、鍼師だけだったり、灸師だけだったりということもあります。
また、整体やカイロプラクティックには、国家資格がありません。

以上、当院で実際にあったこと、私が体験をしたことをもとに、お話ししてみました、私たちも初めて鍼を打った時、打たれた時には怖い思いをしました。
その思いを忘れずに、丁寧な説明と安心して施術を受けていただけるよう、努めてまいります。

鍼灸マッサージの施術に関しまして、質問などございましたら、お気軽にホームページよりお問い合わせください。


院長:佐野 聖

坐骨神経痛・腰痛・肩こり・頭痛など、トリガーポイントが原因の症状は多く、適切な施術で早期の回復のお手伝いをいたします。また、治療法として鍼灸の定義と効果や、痛み・コリ・痺れに悩む人に役立つ情報を日々発信しております。

※当院の院長である、佐野聖は1995年の国家資格取得以降、臨床の第一線で活躍しており、その技術は代替え医療の専門誌である「医道の日本」において紹介されるなど、トリガーポイント・筋膜由来の痛みやコリの改善において高い評価を得ております。
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当院では、
・トリガーポイント鍼灸の効果
・ トリガーポイント鍼灸の施術方法
など、正しい知識をお伝えするために日々努めております。痛みなどのお悩みの方は是非当院までお越しください。(トリガーポイント鍼灸の情報や療法には、個人差がありますので、予め十分な時間を確保の上、説明を行います。)