横浜の鍼灸院 feel 院長の佐野です。
今回は、右臀部の横から大腿外側にかけての坐骨神経痛のトリガーポイント鍼治療のお話です。
今回ご来院いただいた、村田様(仮名:60代女性)はある夜突然に、お尻の横から太腿の外側にかけて疼き始めたそうです。
翌朝はなんとも言い難い痛みで歩くこともできず、整形外科を受診しMRIを撮り、注射をしましたが痛みは和らぐことなく、1週間を過ごされたとのことでした。
MRIの結果は、多少のヘルニアはあるものの明らかな所見は見られず、痛み止めをもらって安静にという指示だったそうです。
以前のブログにも書きましたが、明らかな所見があり手術を勧められるような状態でない場合、トリガーポイント鍼治療が有効である可能性が、かなり高まります。
それでは、施術の内容を簡単ではありますが説明させていただきます。


左の写真は、坐骨神経痛でのトリガーポイント後発部位のひとつである、中臀筋(右写真丸のあたり)への施術です。
今回は、中臀筋の前側を中心に、大腿筋膜張筋へもしっかりと鍼を打っていきます。
一見痛そうに見えますが、村田さん本人は、手で押したり、叩いたりしても届くことのなかった場所に針が当たって、「ずーん」といた気持ち良い感じだと仰っていました。
そしてその「ずーん」という感覚は下の写真右の丸のあたりまで響いている状態です。
坐骨神経痛に限らず痛みの根本に針が当たると、遠く離れた場所に響きを感じることがあります。


写真左は長脛靭帯・外側広筋(右丸のあたり)への刺鍼です。
村田さんの場合、一番症状の強い場所です。
この治療を週に2回受けていただき痛みは7割消失、10日後に3回目の治療をし、3週間後の4回目の治療時に痛みは、ほぼ消失していました。
坐骨神経痛や下肢の痛み・痺れがでると、お尻周りをボールで刺激したり、トントンと叩いたり、ストレッチしたくなります。
これは、本能的にそこを緩めれば楽になる、原因があるとわかっているからで、こうすることで痛みが多少でも和らぐのであれば、トリガーポイント鍼治療が有効です。
軽度の場合セルフケアで良くなることもありますが、元に戻ってしまう場合は、トリガーポイント鍼治療を受けてみてください。
届かなかった「そこっ!」というポイントに届いて楽になるはずです。
=この記事は、鍼灸マッサージ師(国家資格)である当院院長の佐野聖が書いています=
「佐野聖は1995年の国家資格取得以降、臨床の第一線で活躍しており、その技術は鍼灸の専門誌である「医道の日本」において紹介されるなど、トリガーポイント・筋膜由来の痛みやコリの改善において高い評価を得ております」