はり・きゅう・マッサージ治療院 feel 院長の佐野です。
今回は、
・側頭筋とは
・側頭筋のトリガーポイント
・側頭筋のマッサージと注意点
についてお話しをします。
後半には、側頭筋のトリガーポイントに起因する症状も紹介しますので、お悩みの方は本記事で紹介するマッサージなどを実践してみてください。
側頭筋とは、複数ある頭部の筋肉の一つで、頭蓋骨(頭の骨)と下顎(顎の骨)をつないでいる筋肉です。主に下あごを上に上げたり、歯を噛み締めたり、下あごを左右に動かすときに働く筋肉と知られております。
図の側頭筋は見ての通り頭の側面についていて、名前もそのままでわかりやすい筋肉です。
頭蓋骨を覆っている範囲も広く、こめかみから耳の上の方まで広がっていて、後方の一つ上の層には上耳介筋が重なり、顎の方では咬筋と連結していて、この筋肉・筋膜にトリガーポイントができてしまうと、頭痛や顎関節痛などの原因となります。
「頭部を押すと痛い」「耳の上を押すと痛い」あるいは「こめかみがズキズキする」といった症状は、この側頭筋のトリガーポイントと関係がある可能性があります。
※耳の周りの痛みの中には外耳炎など感染症の可能性もありますので、耳の外側やその周辺に痛みや痒み、耳の中に圧迫感や詰まり感がある場合は、ここで説明する側頭筋のトリガーポイントとは関係がありません。
トリガーポイント( Trigger Ponit )とは、簡単に説明しますと「痛覚過敏部位」を指します。
より詳しくいうと、「体内にある痛みを感じるためセンサーが、異常をきたし常に痛みを感じるようになってしまったポイント(部位)」です。
>>トリガーポイントとは
ではなぜ、トリガーポイントができるのでしょうか。最近、マスクの使用時間の増え、日常のストレスなどにより、側頭筋に負担がかかりやすくなり、これもひとつの原因だと思われます。
頭が痛いと無意識に側頭筋を押す、マッサージすることは理にかなっていると言えますが、骨に近い筋肉の場合は側頭筋に限らず注意が必要です。
マッサージのやり方としては、図の黄色い矢印の部分が筋硬結(こり)の好発部位になりますので、この辺りにあるコリを見つけて親指で押さえ(少し痛いかなくらいで)、圧迫しながら矢印のように双方向へ、スライドさせてください。
横方向にゴリゴリしたり、強く押すと筋膜が炎症をおこしてしまい、炎症をおこすとまた押したくなってしまうというループに陥ることもあるので、くれぐれもやりすぎには注意です。よく「頭部を押すと痛い」と聞きますが、これは押したら痛くなるのではなく、無意識中に上述したループにより「押すと痛い」という感覚に陥っているのかもしれません。
しばらくマッサージしても凝りが取れない場合は、国家資格を持つ施術者にお願いしてください。
【側頭筋のトリガーポイントに起因する症状】
・頭痛
・顎の痛み
・三叉神経痛
・目の疲れ
・歯の痛み
・肩こりなど
側頭筋のトリガーポイントに起因する症状で、最も代表的な症状が頭痛です。
頭が痛いと片頭痛かなと思って受診する人が多いですが、実は、側頭筋のトリガーポイントが原因であるケースも少なくないようです。
側頭筋は、上述したように、日常のストレスや、喰いしばりで側頭筋に負担がかかり 、その結果、トリガーポイントが形成され、片頭痛のような痛みが発生すると言われております。
その症状は時々、他にも目の奥の方に広がったり、鈍い痛みのように感じられたりします。
また、顎の痛み(顎関節症)もよく見落とされる症状です。
顎の筋肉である咬筋と共にアプローチすることで、顎関節症の症状が和らぐ場合があります。
側頭筋も咬筋もデリケートな筋肉ですのでこの場合、マッサージよりも鍼治療の方がおすすめです。
また三叉神経痛につきましても、側頭筋のトリガーポイントによる症状の場合があります。
お心当たりの方は、ぜひご相談ください。
=この記事は、鍼灸マッサージ師(国家資格)である当院院長の佐野聖が書いています=
「佐野聖は1995年の国家資格取得以降、臨床の第一線で活躍しており、その技術は鍼灸の専門誌である「医道の日本」において紹介されるなど、トリガーポイント・筋膜由来の痛みやコリの改善において高い評価を得ております」