こんにちは。

痛みとコリの専門鍼灸院 feel 院長の佐野です。

今回は、来院数トップ３に入る四十肩・五十肩のトリガーポイント治療についてお話しします。

四十肩・五十肩と言っても人それぞれ痛み方が違います。
バンザイができないタイプ、背中側に腕を持っていけない（エプロン・ブラジャーがつけられない）タイプ、腕を横に上げられないタイプ、全ての混合タイプなど、様々です。

四十肩・五十肩の治療において、私は肩関節と肘関節の連動にポイントを置いています。

肩の先には腕がついています。
腕には肘関節があり、日常動作の中では肩関節と一緒に動いていることがほとんどです。
例えば、肘を曲げる上腕二頭筋は肩の前から前腕まで、反対の動きをする上腕三頭筋も肩の後ろ側から前腕まで繋がっています。

テーブルの上の物を持ち上げて自分と離れたところに置く動作では、肩関節は少し屈曲して、肘関節は伸展します。
また、吊り革につかまる時、肩関節は大きく屈曲し、肘関節はやはり伸展しています。
逆に、エプロンの紐を後ろで結ぶ時、肩関節は伸展し、肘関節は屈曲します。

さらに肘の曲げ伸ばしには、回内（ドアノブを内側に回す動作）と回外（ドアノブを外側に回す動作）という動作も同時に行われるため、こちらも四十肩・五十肩の治療において、大切なポイントとなります。
場合によっては、痛みの根本がこちらにあることも少なくありませんので、痛むポイントだけを治療しても思うような結果が得られません。



上は、肩の前側が痛むと言って来院された肩の治療の時の写真です。

来院時は、大好きな趣味の動きの中で、自分の前にある物を横に移動させる（肘を伸ばしたり曲げたりする）という動作を長い時は４、５時間続けることがあるそうで、１ヶ月ほど前から、違和感を感じ、この10日ほどで痛みで動かせなくなってしまったという状態でした。

動作の確認後、痛みの原因は上腕三頭筋にあると考え、上腕三頭筋のトリガーポイントに鍼を施術（写真赤丸の箇所）、同時に三角筋や補助的に動くインナーマッスルへの治療を施しました、。

最初はうつ伏せの姿勢で施術することもできなかったので、横向きで週に１度の治療を３回、その後うつ伏せで週に１度の治療を２回行い、現在は日常生活での痛みは全くなくなり、１〜２時間であれば趣味の時間も楽しめています。しかしそれ以上は痛みが出てくるとのことで、次回は３週間後に施術予定です。

30年の施術経験の中で、様子を見てみようと一番時間を経過させて悪化させてしまう方が多いのが、四十肩、五十肩です。
様子見期間が３ヶ月ならまだ良い方で、６ヶ月、1年以上という方もいらっしゃいます。
10日間様子をみても改善が見込まれない時は、トリガーポイント鍼治療を受けてみてください。



＝この記事は、鍼灸マッサージ師（国家資格）である当院院長の佐野聖が書いています＝
「佐野聖は1995年の国家資格取得以降、臨床の第一線で活躍しており、その技術は鍼灸の専門誌である「医道の日本」において紹介されるなど、トリガーポイント・筋膜由来の痛みやコリの改善において高い評価を得ております」