横浜のトリガーポイント鍼灸院 feel 院長の佐野です。
今回は、側頭筋へのトリガーポイント鍼治療のお話です。
山川さん(仮名)は、急な顎の痛みと、側頭部の頭痛で来院されました。
普段から顎の「ガクッ」とする音は感じるが、頭痛が出たころからその音が大きくなっているというお話でしたので、肩や首の筋肉を緩めた後、顎周りの筋肉、側頭筋と咬筋をチェックしていきます。
やはり側頭筋。咬筋ともに硬結(筋肉のコリ)があります。(下図右の黒い線)
トリガーポイントは、硬結の中でもさらに刺激に過敏になっていて、他とは違う感触があるところで、探し出すには技術と経験が必要です。
下の図左は、側頭筋と咬筋に刺鍼したところ、右は解剖図になります。
側頭筋は、側頭部を広く覆っていて、頬骨の下を通り顎まで繋がり、咬筋は浅層と深層とあり顎を動かしていて、両方とも咀嚼筋と言われる、ものを噛む時に使う筋肉で、食いしばりなどで疲労し、痛みの原因になることがあります。


側頭筋と咬筋のトリガーポイントに治療をしたところ、側頭筋の方がより痛いところに響く(いつも痛いところにズーンとする)ということでした。
急な症状だったので、1回の治療でかなりの効果が上がると思っていましたが、残念ながら半減ほどで、その後週に1度の治療を2回行い、痛みは消失しました。
*慢性的な症状よりも、症状が出てからすぐの物の方が、早期の回復が見込めます
歯科の治療にも通われているということで、そちらがきっかけだったのかもしれません。
側頭筋のトリガーポイントは、頭痛や眼の疲れなどの原因にもなり、特に顎関節症の原因となっている場合がありますが、見落とされがちです。
頑固な頭痛、顎関節症でお悩みの方は、ご相談ください。
=この記事は、鍼灸マッサージ師(国家資格)である当院院長の佐野聖が書いています=
「佐野聖は1995年の国家資格取得以降、臨床の第一線で活躍しており、その技術は鍼灸の専門誌である「医道の日本」において紹介されるなど、トリガーポイント・筋膜由来の痛みやコリの改善において高い評価を得ております」