便秘と腰痛はまったく別の悩みに見えますが
腸のすぐ近くには 大腰筋・多裂筋・骨盤底筋 など
腰を支える“深い筋肉”が密集しています。
お腹が張ると腰も痛くなる、こんな方もいらっしゃるのではないですか?
便が溜まる → 腸が前に張る → 大腰筋がこわばる
姿勢が乱れる → 腰椎に負担 → 腰痛になる
この流れは、臨床でよくみられます。
さらに、便秘の不快感で交感神経が優位になると
多裂筋など、腰の深部筋も固まりやすくなります。
骨盤底筋についても同じで
便秘の人ほど “いきむクセ” が強まり
本来必要な“脱力”ができない状態になりやすいです。
改善のヒント
大腰筋の緊張をゆるめる
腸まわりの血流と滑走性を整える
横隔膜の動き(=迷走神経)を引き上げる
骨盤底筋は “いきみ” ではなく “脱力” を再学習
この並び順で整うと
「便秘も腰痛も一緒に軽くなる」ケースが多いです。
ここで、とても重要なことがひとつ。

【向かって左側、右大腰筋の向かいに左の大腰筋があり、S状結腸と近接しているのがわかります。】
大腰筋は深部の筋…だから“鍼”が実は相性いい
大腰筋は腹部のさらに奥。
手のマッサージやストレッチではかなり届きにくい領域です。
そのため
大腰筋の緊張を効率よく整えたい場合は
→ 深部へアプローチできる“鍼治療”が理にかなっています。
「便秘+腰痛」の人は
“鍼で大腰筋をゆるめる” が、アプローチとして非常に有効なことが多い。
ここは“注意”
ただし
便秘+腰痛=全部筋肉 と決めつけるのは危険です。
以下のような症状がある場合は
内科・消化器科のチェックを先に 受けてください。
血便 / 黒い便
発熱
急な体重減少
夜間に目が覚めるほど強い痛み
50歳以降に新しく出た便秘・腰痛
がん家族歴が濃い
※大腸疾患 / 腸閉塞傾向 / 膵臓疾患 / 腹部大動脈など
内臓由来の“腰痛”も存在します。
まとめ
除外すべきものを除外する
その上で
大腰筋という“深い筋”を鍼で整える
筋の流れと自律神経が整うと
「出す」も「支える」も、自然と変わっていきます。