鍼灸マッサージ治療院 feel 横浜 院長の佐野です。
上の写真は、肩甲骨と肩甲骨の間、いわゆる肩甲間部の痛みを訴えて来院された方に対する鍼治療の様子です。
この部位の痛みを主訴に来院される方は非常に多く、「マッサージや整体、ストレッチなど色々試したが良くならなかった」という経緯をお持ちの方がほとんどです。
肩甲間部の痛みが改善しにくい理由
肩甲間部は、解剖学的に筋肉が何層にも重なり合う非常に複雑なエリアです。
表層から順に
僧帽筋
広背筋
大菱形筋
小菱形筋
腸肋筋
最長筋
さらに最深部には肋骨棘筋が存在し、これらの筋が層状に重なっています。
日常生活やデスクワークなどで同じ姿勢が続くと、これらの筋・筋膜同士が滑走不全や癒着を起こしやすくなります。
その結果、身体を動かすたびに筋同士が擦れ合い、慢性的な痛みや不快感として現れてしまいます。
マッサージでは届かない痛みの正体
痛みの原因となっている筋が表層であれば、マッサージやストレッチでも一定の効果が得られる場合があります。
しかし、肩甲間部の痛みでは深層筋が主な原因となっているケースも少なくありません。
今回の施術で、メインの治療ターゲットとなった筋は頚腸肋筋でした。
この筋は体表から非常に深い位置にあり、指でのマッサージでは十分な刺激を与えることが難しい筋肉です。

「どの筋が原因か」を見極めることが最重要
そして、このエリアの痛みは、僧帽筋・菱形筋・脊柱起立筋群など、前述したすべての筋が原因となり得ます。
重要なのは、「今の痛みは、どの筋のトリガーポイントが主因なのか」を正確に見極めることです。
その時々で治療のメインターゲットとなる筋は変わるため、触診と動作評価を丁寧に行い、的を絞った治療が不可欠となります。
トリガーポイント鍼治療の特徴的な反応
ターゲットとなる筋が定まれば、その筋に対して的確に刺鍼を行います。
鍼先がトリガーポイントに到達すると、多くの場合、筋が「ピクピク」と不随意に収縮します。
それと同時に、「ズーン」とした痛気持ち良い独特の感覚が現れます。
患者さんがよく口にされるのが、
「まさにそこです」「そこそこ」
という表現です。
施術後の反応と今後の経過
今回の施術直後、それまで感じていた痛みは消失し、代わりに筋肉痛のような感覚に変わったとのことでした。
これはトリガーポイント治療後によくみられる正常な反応です。
この時点で施術は終了とし、しばらく経過を観察していただくことになりました。
もし症状が残るようであれば、改めて次回の施術をご案内する予定です。
今後の経過についても、
また続報をお伝えできればと思います。
=筆者:佐野 聖(さの ひじり)/ はり・きゅう・マッサージ治療院 feel 院長=
1995年に鍼灸マッサージ師(国家資格)を取得し、整形外科勤務からキャリアをスタートしました。臨床の現場で数多くの症例に携わる中で、痛みの多くが筋肉や筋膜に由来することに注目し、2003年に横浜で「はり・きゅう・マッサージ治療院 feel」を開業。筋筋膜性疼痛症候群(MPS)やトリガーポイント治療を専門に据え、肩こり・腰痛・坐骨神経痛・五十肩・頭痛など、慢性的な痛みに取り組んできました。
その治療技術や臨床経験は、鍼灸専門誌『医道の日本』でも特集として紹介されています。