症状別治療例
Treatment Cases

顎関節症とトリガーポイント治療

─ 噛みしめによる痛み・違和感に鍼灸でアプローチ

「口を開けると痛い」「カクカクと音が鳴る」
そんな症状に悩まれていませんか。
顎関節症は、顎の関節や咀嚼筋(そしゃくきん)に負担がかかることで起こる慢性的な障害です。
近年では、歯科・口腔外科領域でも積極的に診断・治療が行われ、マウスピース(スプリント)療法が広く知られるようになりました。
一方で、近年注目されているのが、咀嚼筋にできたトリガーポイントに対する鍼治療です。
筋肉に直接アプローチし、顎関節症の症状改善を目指します。

顎関節症の主な症状

  • 口を大きく開けたときの痛み
  • 開口時のカクカク・ゴリゴリとした関節音
  • まっすぐ口を開けられない(偏位)
  • 耳の痛みや違和感
  • 頭痛、首こり、肩こりの併発

痛みを伴わない雑音だけのケースも多く見られ、進行すると日常生活に支障をきたす場合もあります。

顎関節症の原因とトリガーポイントの関係

顎関節症の発症には、日常生活の中に潜む小さな習慣が影響しています。

  • 噛み締めや歯ぎしり
  • 頬杖をつく習慣
  • うつ伏せで左右どちらかを向いて寝る癖
  • 片側で噛むクセ

これらの行動によって咀嚼筋に過剰な負荷がかかり、筋肉内にトリガーポイント(痛みの引き金点)が形成されます。
その結果、顎の開閉動作にアンバランスが生じ、痛みや関節音などの症状につながります。

鍼灸による顎関節症へのアプローチ

当院では、痛みや開口障害を引き起こす咀嚼筋群に対して、トリガーポイント鍼治療を中心に施術を行っています。
治療対象となる筋肉は以下の通りです。

  • 咬筋(こうきん)
  • 側頭筋(そくとうきん)
  • 外側翼突筋(がいそくよくとつきん)

これらの筋肉の緊張状態を触診・動作検査により評価し、個々に合わせた施術プランを立案します。
鍼治療により筋緊張を緩め、顎関節周囲の筋バランスを整えることで、痛みや音の軽減、開閉動作の改善を目指します。

顎関節症改善のために大切なこと

施術に加えて、再発防止のために以下の点にも注意が必要です。

  • 噛み締め癖を意識して緩める
  • 頬杖や片側噛みの習慣を見直す
  • 寝る姿勢(うつ伏せ・横向き癖)を改善する

小さな意識の積み重ねが、顎関節症の再発防止につながります。

【まとめ】

  • 顎関節症の多くは、咀嚼筋にできたトリガーポイントが関与しています。
  • 鍼治療により筋肉への直接アプローチが可能です。
  • 早期に適切な治療と生活習慣の見直しを行うことが、改善と予防につながります。

顎の違和感や痛み、開けにくさを感じたら、早めのご相談をおすすめします。

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