症状別治療例
Treatment Cases

朝、首が回らない…それは“寝違え”かもしれません

─ トリガーポイントが関係する急性の首の痛み

朝目覚めた瞬間、首が動かない・振り向けないほどの痛みを感じたことはありませんか?
このような症状は「寝違え(急性頚部痛)」と呼ばれ、首や肩周辺の筋肉に過剰な負荷がかかることで発症します。

寝違えとは?──その正体は「筋肉の急性トラブル」

「寝違え」とは、医学的には急性頚部拘縮や急性頚部痛と呼ばれ、就寝中に筋肉が過度に引き伸ばされたり、圧迫を受けたりして起こる、急性の筋筋膜性障害です。
簡単に言えば、寝ている間に「ぎっくり首」が起きたような状態ともいえるでしょう。
筋肉の柔軟性が落ちていたり、血流が悪くなっていたりする状態で長時間同じ姿勢を続けていると、筋肉が部分的に収縮し続け、トリガーポイント(痛みの引き金点)が形成され、痛みや可動域制限が起こるのです。

なぜ朝に突然起こるのか?

寝違えが「朝に突然」起こる理由は、以下のような要因が関与しています

  • 無意識に不自然な姿勢を長時間とってしまう
  • 睡眠中に寝返りが少なく、頚部の筋肉が同じ位置で伸ばされ続ける
  • 枕やマットレスが合っていない
  • 全身疲労・ストレス・冷えなどで筋肉が硬くなっている

これらの要素が重なることで、筋肉の内部でトリガーポイントが形成され、翌朝突然痛みを感じるというわけです。

症状の経過と重症度

症状の程度 特徴・経過
軽度 2~3日で自然に改善。違和感が1~2週間続くことも
中等度~重度 首の痛みに加え、頭痛・背中の痛み・腕のしびれを伴うことも。放置すると長期化しやすい

寝違えは「放っておけば治る」と思われがちですが、トリガーポイントが残ったままだと再発や慢性化の原因になります。

有効な治療法とセルフケア

当院では、寝違えの原因となる筋肉(特に肩甲挙筋・僧帽筋)にできたトリガーポイントに対して鍼で直接アプローチします。

  • 筋肉の深層までアプローチ可能
  • 血流を促進し、痛みの軽減と可動域の改善が早い
  • 根本的な改善と再発予防を同時に狙える

さらに、施術後のセルフケアも重要です

  • ぬるめのお湯で入浴して血流を促す
  • 軽いストレッチ(痛みが落ち着いてから)
  • 枕の高さや寝具の見直し
  • カバンを片側で持ち続けるなどの癖に注意

代表的な治療対象となる筋肉(トリガーポイント)

  • 肩甲挙筋(けんこうきょきん)
     → 首と肩甲骨をつなぐ筋肉で、寝違えでトリガーポイントが形成されやすい部位です。
  • 僧帽筋(そうぼうきん)
     → 首・肩・背中にかけて広がる大きな筋肉。猫背や姿勢の崩れでも緊張しやすい部位です。

どちらの筋肉も、「肩をすくめる動作」で負担がかかりやすく、トリガーポイントが形成されやすい特徴があります。

【まとめ】寝違えは「一晩の問題」ではなく、疲労の蓄積サイン

  • 就寝中の姿勢・疲労・筋緊張の影響で発症することが多い
  • 放置すれば長期化・慢性化のリスクあり
  • トリガーポイントに対する鍼治療で痛みの根本にアプローチできます

「朝から首が動かない…」
そんなときは、お早めにご相談ください。早期の対応が早期改善につながります。

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