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鍼灸専門治療院 feel横浜本院 院長ブログ
2026年10月25日

コリを押し過ぎていませんか?〜セルフケアが痛みを長引かせる原因に!?

セルフケア・メンテナンス


肩や腰の気になる場所を押して痛むと、「ここがこっているんだな」と感じることがあると思います。マッサージガンや棒を使い、痛みがなくなるまでほぐそうとしている方もいるかもしれません。

ただ、押したときの痛みには、筋肉の状態だけでなく、刺激を受け取る神経の敏感さも関わっています。強く痛むからといって、それだけこりが強い、もっと強く押す必要があるとは限りません。

横浜・天王町の鍼灸マッサージ治療院feelにも、セルフケアで同じ場所を刺激し続け、皮膚が擦りむけたり、色素沈着が見られたりする方が来院されます。こうした場合には、もともとの症状に加えて、ケアによって新たな痛みが生じている可能性も考える必要があります。

ほぐしているのに痛みが残る理由

強い圧迫や繰り返す刺激によって筋肉や周囲の組織が傷つくと、炎症が起こり、ブラジキニンやプロスタグランジンなど、痛みの発生や増強に関わる物質が働きます。

その影響で、刺激を感知する神経の末端が敏感になり、以前と同じ強さで押しても、より痛く感じることがあります。この仕組みを「末梢性感作」といいます。

例えば、強く押したあとに同じ場所を確かめて痛みが残っていたとしても、それは必ずしも「ほぐし足りない」という意味ではありません。刺激によって傷めた部分が、圧迫に対して敏感になっている可能性もあります。

ところが、気になっていた場所が引き続き痛むため、「まだこっている」「もう少し強く押そう」と受け取ってしまうことがあります。痛みを確かめるために押し、その痛みを取ろうとして、さらに押す。こうした繰り返しが、回復途中の組織への負担になってしまいます。

マッサージガンや棒は、強く使うほどよいわけではありません

マッサージガンを強く押し当てたり、硬い棒で同じ場所を繰り返し押したりすると、筋線維や周囲の組織を傷める可能性があります。通常の使用で必ず損傷が起こるわけではありませんが、刺激を強く、長くすれば、その分よい結果につながるとはいえません。

また、皮膚を強くこする刺激には、摩擦による擦り傷の問題もあります。炎症が起きたあとに茶色っぽい色が残る「炎症後色素沈着」は、こりが取れた印でも、老廃物が出た跡でもありません。

皮膚に傷やあざができるほど続けている場合には、セルフケアの強さや時間を見直す必要があります。

治療期間が長引くこともあります

臨床では、こうした強すぎるセルフケアが重なっている方で、治療期間が長引くことがあります。もともとの症状への対応に加え、刺激によって傷めた部分の回復にも時間が必要になるためです。皮膚に傷があれば、その場所への施術にも配慮しなければなりません。

痛みを整理するうえでは、どこが痛むかだけでなく、セルフケアの前後で何が変わったかも手がかりになります。以前は押したときだけだった痛みが、軽く触れただけでも出るようになったのか。ケアを始めてから、翌日まで痛みが残るようになったのか。

こうした経過を踏まえず、押して痛い場所をすべて「治療すべきこり」と捉えてしまうと、刺激を控える必要がある部分へ、さらに負担をかけることになりかねません。

「痛いほど効く」を目安にしない

トリガーポイントへの施術でも、単に強い刺激与えることが目的ではありません。刺激したときに普段の症状が再現されるかを確かめることと、痛みを我慢させながら押し続けることは別です。

セルフケアのあとに、触れるだけで痛む、あざができる、皮膚がヒリヒリする、翌日に痛みが増すといった変化があれば、「効いた証拠」や「好転反応」と決めつけず、その場所への刺激を中止してください。強い痛みや腫れがある場合は、医療機関での確認が必要です。

こりがつらいと、何かせずにはいられないこともあると思います。それでも、押すほど痛みが増しているときは、さらにほぐそうとせず、いったんお休みしてください。刺激を重ねず、傷めた部分を休ませることも、ケアのひとつです。

【監修・執筆者プロフィール】
佐野 聖(さの ひじり)
はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師(国家資格)
横浜市の「はり・きゅう・マッサージ治療院 feel」院長。1995年に国家資格を取得後、整形外科勤務を経て、2003年に開業。
30年以上にわたり、肩こり・腰痛・坐骨神経痛・五十肩・頭痛などの慢性的な痛みの施術に従事。筋筋膜性疼痛症候群(MPS)、トリガーポイント、筋膜へのアプローチを専門とし、解剖学・運動学に基づいた施術を行っている。
トリガーポイント治療に関する臨床・技術について、鍼灸専門誌『医道の日本』に特集掲載。現在も国内外の知見を学び続け、臨床経験と根拠の両面を重視した施術を行っている。




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